着物の寸法を調べていると、「鯨尺(くじらじゃく)」という言葉を目にすることがあります。普段使っているセンチメートル(cm)とは違うため、初心者の方にとっては少し分かりにくいかもしれません。そこで今回は、「鯨尺とは何か?」についてお話ししましょう
鯨尺とは?
鯨尺は、着物や和裁で使われる長さの単位です。もともと鯨のひげを材料にした物差しが使われていたことから「鯨尺」と呼ばれるようになりました。
鯨尺は一尺 約37.88cm です。基本単位は、丈(じょう)・尺(しゃく)・寸(すん)・分(ぶ)で、 1尺=10寸 1寸=10分 10尺=1丈となります。
実際にcmを鯨尺を用いて表すと
150cm 🟰 3尺9寸5分 となります。
鯨尺と曲尺(かねじゃく)の違い
日本には「尺」という単位が鯨尺以外にもあります。「曲尺(かねじゃく)」です。
単位名 | 1尺の長さ | 主な用途 |
---|---|---|
曲尺(かねじゃく) | 約30.3cm | 建築や大工仕事 |
鯨尺(くじらじゃく) | 約37.88cm | 着物や和裁 |
いずれも1958年(昭和33年)の尺貫法の廃止に伴い法定単位としては使われなくなりました。
鯨尺の換算方法
着物の寸法を理解するために、鯨尺とセンチメートルの換算方法を知っておくと便利です。
鯨尺 → センチメートルに変換する方法
- 1鯨尺 ≈ 37.88cm
- 1寸 ≈ 3.788cm
- 1分(ぶ) ≈ 0.388cm
例えば、着物の裄丈が「1尺8寸」だった場合: 1尺8寸 = 約68.2cm(37.88cm × 1 + 3.79cm × 8)
逆に、センチメートルを鯨尺に直したいときは、cm ÷ 37.88 で計算できます。
鯨尺を使いこなそう!
法定単位としては使われなくなりましたが、現代でも和裁師さんや呉服屋さんでは使われる単位です。最初は戸惑うかもしれませんが、基本的な換算方法を覚えておくと、着物生活がもっと楽しくなりますよ!
おすすめの鯨尺換算ツールをのせておきます。よかったら使ってみてください。
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